【テキスト】今年の読書ダイジェスト
今年読んだ本ベスト10とかやろうと思ったけど、ブクログとか見ても「そもそも今年読んだ本どれ」状態でした。
基本的に、「記録する」という習慣が徹底的に馴染まないっぽくて、ためしに読了日を入れたり手帳に書いてみたりしても、すぐに飽きるっていうか、そんなルールを自分で作ったことすら忘れてることがしばしば。そして、忘れてしまうことは、おおむね、忘れていいことなのだと思っていたりする。
なお、Twitterで「○○読み終わった!」とか呟いてるのは、「この感動を新鮮なうちにアウトプットしとかないとな」という心意気であり、「後になって、いつ読んだか分かるように」などという意図はゼロです。
言い訳をしておくと、読書に関するものを含め、アウトプットはすべて「現在」なのだと思っていたりします。そして、あとから必要になる情報というのもまた、その本から何を拾い上げたかという、「そのときの"現在"」であり、それがいつの時点でどうしたという「過去」を、必要としていないということじゃないか、と。
以上、自己分析。
ちなみに、こないだ読んだ「アルクトゥールスへの旅」にこんな言葉がありました。
「そもそも自分を見つめようとする人間は劣悪だ」と。
まあそういうものかもしれません。よくわかんないな。
以下、時系列に沿って振り返る今年の読書ダイジェスト。
◆「燃えよ剣」司馬 遼太郎
刀剣乱舞とかはじめスルーしてたんですけど。私は音ゲーと艦これで忙しいから。刀剣擬人化とか意味分かんないから。そして審神者に着任したのはサービス開始の2日後でした。
この本から始まって、新選組血風録、壬生義士伝などの新選組小説をものすごい勢いで再読した第1四半期。加州くん可愛い。
◆「炎立つ」高橋 克彦
唐突の「前九年の役萌え」に襲われて幕を開けた第2四半期。奥州が熱い。
◆「器官切除」マイケル・ブラムライン何度かTwitterでは紹介しつつも、「これ紹介してどうすんだ」と本人は思っていたりする1冊。
表題作は淡々と生きた人間を解体していくだけの話ですが、この人の文章はひたすらグロい内容だけど非常に客観的で、善悪も好悪も入り込む余地がない。にもかかわらず、グロテスクとか悪趣味とか評されていることについて、何かしら面白みを感じてしまう。
結末が最高だと思ってる1冊。たまらない。こういう結末でなければ、と、のたうち回りながら大笑いしたくなるような。
映画『ハーモニー』でミァハが燃やしていた本のうちの1冊がこれですが、意外にも読んだのは今年でした。もっと前かと思っていた。この本と前後して、「1984年」とかも読んでいるっぽくて、何かしらそういう気分だったのかもしれない。行くぜディストピア!みたいな。行くな。
◆「関ヶ原」司馬 遼太郎
「大関ケ原展」でやたらテンション上がってしまい、「私も関ケ原の戦いに参加したかった…」などとわりと本気でほざいていました。できれば大谷さん陣営がいいです。大谷さん萌えが止まらない。基本的に伊達政宗公至上の人間ですが、西軍萌えに目覚めた瞬間でした。そういえば宇喜多さん萌えもここから始まった。あの人、西軍なのに、参加武将の中で一番最後まで生きてるからな…?試合に負けて勝負で勝ってる感はんぱない。萌える。
◆「生命にとって水とは何か―水の不思議な力を解き明かす 」中村 運
「アンソロジー水」という、水をテーマにした小説・イラストの創作企画に参加させていただきました。企画に寄稿するにあたって、ふと手に取ったのがこの本でした。水と生命の関わり方に、新しい視点を与えてくれた1冊。
◆「シャーロック・ホームズシリーズ」アーサー・コナン・ドイル
中学以来10年以上ぶりに再読。やたらと面白かったのですが、いかんせんきっかけが『屍者の帝国』なので、どこ開いても「ワトソン博士可愛い」しか出てきませんでした。どうしてくれるんだ許さない。
しかし中学時代に古本屋で買った本が、未だに手元にあることに感動するしか。よくまあ、こんな本の扱い酷いやつのとこにいてくれるなあ、と。
◆「エピローグ」円城 塔
メタ視点の入った小説というのはあるにはあるだろうけれど、小説のメタ視点というか、ええと、何だこれ。SF? SFとしか言えないけど、SF的にはそれでいいの? 小説、というものを、さくっとひっくり返されたような感じ。これやられたらもうあとどうすりゃいいの感があるんですけど、ほんとにどうしてくれるんですか。
◆「ヒトはなぜヒトを食べたか」マーヴィン ハリス
こないだもこのBlogでちょっと紹介してたやつ。面白かった。
◆「アルクトゥールスへの旅」デイヴィッド・リンゼイ
なんだこれ。観念SFって何。別の世界で別の価値観を体験し、根底にある世界の成り立ちみたいなものを知る的な。そう書くとSFなんだけど、やっぱりなんだこれ。リアリティのある文章なのに、最後に盛大に疑問符が押し寄せてきてそのまま終わる感じの、衝撃はあるけど現象として理解できない、みたいな本でした。
以上、適当に今年の10冊でした。まだ何かあったら次回に追加しているかもしれません。お疲れ様でした。年末に時間があったら、ダラダラ語りたい気もしつつ、ひとまずこんなかんじで。